この記事の内容
子どもの絵が左右対称すぎる? — きっちり描く子の心理と成長のサイン
「うちの子、絵を描くとき、まるで定規で測ったみたいに、きっちり左右対称にするんです。几帳面なのはいいけれど、子どもらしさがないように見えて、ちょっと心配で……」
こうしたご相談、実はよく伺うんです。
多くの親御さんは、「子どもの絵=もっと自由で、のびのびしたもの」というイメージを持っていますよね。
空を飛ぶクジラや、虹色の顔の人間……。
そんな、子どもならではの「はちゃめちゃな可愛さ」を期待しているからこそ、あまりに整った絵を見ると、「想像力が足りないのかしら?」「完璧主義すぎて苦しくないかな?」と、ちょっぴり不安になってしまうのですよね。

でも、どうぞ安心してください。その「きっちり」の裏側には、お子さんの素晴らしい才能と、今まさに育っている「心の土台」がちゃんと隠されています。今日は、左右対称に描く子の心の内側と、その個性を大切に伸ばしていく関わり方について、一緒にゆったり考えてみませんか。
「うちの子、きっちり描くタイプかも?」と思ったら
お絵かきの時間に、お子さんのこんな様子を見たことはありませんか?

🎨 こんな子は「きっちりさん」タイプかも?
- 窓や屋根が左右でずれないように、何度も描き直している
- 花びらの数や模様を、右と左でピシッと揃えようとする
- 顔のパーツの位置がほんの少しズレるだけで、すごく気にする
- 色塗りのとき、線からはみ出さないように、息を止めるくらい慎重に塗る
一見すると、「もっと肩の力を抜いて描けばいいのに……」と、ハラハラしてしまうかもしれません。でも実はこれ、お子さんが「自分なりの心地よいルール」を見つけて、この世界を一生懸命に理解しようとしている、とっても健やかな姿なんです。
なぜ「左右対称」に惹かれるの? — 脳と本能が感じる「心地よさ」
お子さんが左右対称(シンメトリー)に描き続けるのには、ちゃんと理由があります。それは単に「真面目だから」というだけでなく、人間が本能的に持っている「探求心」が動き出しているからなんです。

1. 「世界の正しい形」を見つけた喜び
自然界を見渡してみると、蝶の羽、花びら、雪の結晶、そして私たち人間の体も、だいたい左右対称にできていますよね。子どもにとって世界は、まだまだ不思議でいっぱいの場所。その中で、「左右が揃っている!」という法則を見つけ出し、自分の手で再現できることは、まるで世紀の大発見をした学者のような、誇らしい喜びなんです。
2. 脳の「連携プレイ」が順調なサイン
実は、左右対称の絵を描くには、脳の中で高度なチームワークが必要です。
「左側で描いた形をイメージとして覚えておいて、それを右側にも再現する」
この、右脳と左脳のキャッチボールがスムーズにできているからこそ、ピシッと揃った絵が完成します。お子さんの脳のネットワークが、今まさに細やかに、順調に育っている証拠でもあるんですよ。
「特性かも?」と不安を感じているママ・パパへ
あまりに一点の曇りもなく左右対称にこだわる姿を見て、「これって、もしかして特性かしら?」と、ひとりで不安を抱えてしまうこともあるかもしれません。もしそうだとしても、その「こだわり」は、将来の大きな武器になる「ギフト」だと私は思っています。

- 本質を見抜く再現力:ルールを正確に理解して、形にする力。
- 小さな違いに気づく力:他の人が見逃すようなズレに気づける、繊細な感性。
- 自分だけの美意識:納得のいく「完璧な世界」を組み立てられる力。
こうした力は、将来、エンジニアやデザイナー、職人さんや研究職など、「正確さと美しさ」が大切にされる世界で、驚くほどの才能として輝きます。今のこだわりを「直さなきゃいけないこと」ではなく、「この子が持っている素敵な道具」として、優しく見守ってあげてくださいね。
「きっちり」を「楽しい」に変える!遊びのヒント
無理に「自由に描きなさい」と言うと、お子さんはかえって不安になってしまうことも。それよりも、お子さんが大好きな「左右対称」をきっかけにして、遊びの幅を広げてあげるのが一番の近道です。

1. デカルコマニー(ふしぎな合わせ絵)
「揃っていないと落ち着かない」という子に、特におすすめの遊びです。
遊び方:紙を半分に折って折り目をつけ、一度開きます。片方の面だけに、絵の具をポトポトと落としたり、好きなように模様を描きます。乾かないうちに半分に折り、手で優しくこすってから、ゆっくり開いてみてください。
ここがポイント:開いた瞬間、完璧な左右対称が現れます!「揃っている」という心地よさを満たしつつ、絵の具が混ざってできる「予想外の形」に出会うことで、「きっちり描くだけじゃない楽しさ」を自然に感じることができます。
2. ミラー・ドローイング(鏡あわせお絵かき)
親子で「半分こ」を楽しみながら、心の距離を縮める遊びです。
遊び方:1枚の紙に、まずはママやパパが左側に「家の半分」などを描きます。それを見ながら、お子さんに「反対側を鏡みたいに描けるかな?」とお願いしてみます。
ここがポイント:一人で描くのとは違い、相手の絵をよく見る「やり取り」が生まれます。もし形が少しズレても、「あ、ママより可愛い窓になったね!」なんて笑い合えたら大成功。「ズレても、それはそれで面白いね」という安心感を、さりげなく伝えてあげてください。
3. 自然の中の「シンメトリー探し」
お家の中を飛び出して、一緒に「同じ形」を探してみましょう。

遊び方:お散歩中に、左右同じ形の葉っぱや花を探します。「この葉っぱ、真ん中で折ったらぴったり重なりそうだね」「このお花も、右と左で並んでいるね」と声をかけます。
ここがポイント:お子さんは、自分の頭の中にある「きっちり揃えたい」という感覚が、お外の世界にもたくさんあることに気づきます。「自分の好きな形は、お花や木と同じなんだ」と実感できると、自分の描き方に自信が持てるようになりますよ。
左右対称がもっと好きになる!おすすめの本
お子さんの「きっちり」が大好きな心に寄り添う、素敵な本をご紹介します。
📘 『きょうのおやつは(かがみのえほん)』 ページを立てると鏡のように反射して、おやつが立体的に現れます。左右が合わさる美しさに、きっとお子さんは夢中になりますよ。

きょうの おやつは かがみのえほん (福音館の単行本)
📘 わくわくたのしい!こどもの育脳マンダラぬりえ
左右対称やきっちりした形が大好きなお子さんに、ぴったりの一冊です。
マンダラ模様をぬりえで楽しみながら、集中力・空間認知・手先の器用さを自然に育てられる内容になっています。
「はみ出さずに塗りたい」「左右をそろえたい」
そんな“几帳面さ”を、ストレスではなく“心地よい達成感”に変えてくれるのが、このマンダラぬりえ。
色の選び方も自由なので、
きっちり派の子も、ちょっぴり冒険したい子も、
それぞれのペースで“自分らしい表現”を楽しめます。
おうち時間や、気持ちを落ち着けたいときの
心のクールダウンアイテムとしてもおすすめですよ。

わくわくたのしい!こどもの育脳マンダラぬりえ (ブティック・ムックno.1644)
まとめ|「きっちり」は、未来へ続く才能の芽
左右対称の絵を描くことは、お子さんが自分の手で「安心できる、美しい世界」を作ろうとしている、とても大切な活動です。
それは将来、「物事を筋道立てて考える力」や「細やかな美しさに気づく力」として、必ずお子さんを助けてくれます。「子どもらしくない」なんて思わなくて大丈夫。その几帳面さを、親子で「面白いね」「きれいだね」と一緒に楽しみながら、大切に育んでいってあげてくださいね。

もし次にお子さんが絵を見せてくれたら、「上手だね」という言葉の代わりに、こう伝えてみてください。
「わあ、ここ、右と左でピシッと揃えたんだね。すごく集中して描いたのが伝わってくるよ」
その一言が、お子さんの「自分はこれでいいんだ」という自信を、ゆっくりと、でも真っ直ぐに育てていくはずですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 お子さんの絵や日々の様子で、もし「こんな時はどう声をかけたらいい?」と迷うことがあれば、いつでも気軽にお話ししてくださいね。一緒に考えていきましょう。
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正解を探すより、
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実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
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