
「物語」の力で育てる共感力と心の土台
「また泣いてる…どうして?」「そんなに嫌なこと、あったの?」
子どもがぐずっているとき、親としてはどう接していいか迷ってしまいますよね。でもそれ、“理由がない”わけじゃないんです。まだ自分の気持ちを、うまく言葉にできないだけなんです。
そんなとき、心にそっと寄り添ってくれるのが“物語”。
この記事では、元教員の視点から、「物語を通して子どもの心と共感力を育てる方法」をご紹介します。
なぜ物語が子どもの心を育てるの?
● 登場人物の気持ちを“体験”することで育つ共感力
昔話や絵本には、子どもの心を動かす力があります。登場人物の気持ちを想像することで、子どもは「自分以外の誰かの気持ち」に触れ、共感する力を自然と育んでいきます。
たとえば、泣いているキャラクターを見て「どうしたのかな?」と考えたり、自分ならどう感じるかを想像する。そんな小さな体験が、人と関わる力の土台になっていきます。
● 調査でも裏付けられています
文部科学省の調査では、幼い頃から読書習慣がある子どもほど、
- 他人への思いやりが強く、
- 自分の気持ちを言葉で伝えるのが上手
という傾向があるとわかっています。つまり、物語は感情を整えたり、自己表現する力、社会性を自然と育ててくれるんです。
【実践編】共感力を育てる「物語の読み方」3ステップ
① まずは“そばにいる”だけでいい
「どうしたの?」と理由を聞くより、まずは黙ってそばにいてあげましょう。
✏️ 教室でも、「話さなくていいよ」と伝えると、ホッとして涙が出る子がたくさんいました。
子どもは「分かってもらえた」と感じたとき、自分の心を少しずつ開いていきます。
② 子どもの気持ちに合った絵本を選ぶ
絵本の中の気持ちと自分の気持ちがリンクすることで、子どもは「自分の感情」を客観的に見つめやすくなります。
子どもの気持ち | おすすめの絵本 |
---|---|
落ち込んでいる | 『ぼくのニセモノをつくるには』ヨシタケシンスケ |
さみしい気持ち | 『ちいさなあなたへ』アリスン・マギー |
不安や怖さがある | 『スイミー』レオ・レオニ |
✏️ 読み聞かせのあと、「こんな気持ちだった」とぽつりと話し出す子、たくさんいました。
③ 一緒に感じることを大切に
ただ読むだけでなく、「どんな気持ちだったかな?」と親子で一緒に感じる時間にしてみましょう。
- 「ママも、こんな気持ちになったことあるな」
- 「この子、どうしてこうしたと思う?」
と声をかけることで、子どもは自分の気持ちを言葉にしやすくなります。
親が意識したい3つのこと
✅ 読ませようとしない
「これ読めば元気になるよ!」は逆効果。読むかどうかは子どもに任せて大丈夫です。
✅ 話の中心は子どもに
「どこが面白かった?」より「ここ、面白かったね」と共感ベースで話すと、自然と子どもが語り出します。
✅ 読書を“特別”じゃなく“日常”に
困ったときだけ読むのではなく、日常的に物語に触れていると、心の引き出しが増えていきます。
✏️ 教員時代、言葉数が少なかった子も、読書をきっかけに少しずつ語彙が豊かになっていきました。
「物語」は心の栄養
感情は、経験とともに育つもの。
- 楽しい物語で「ワクワク!」と心を動かす
- 切ない物語で「なんだか分かるなあ」と寄り添う
- 冒険の物語で「やってみたい!」と挑戦する気持ちが芽生える
そんな体験をくり返すことで、子どもの心は少しずつ育っていきます。
そして何より、物語の時間は、親子の絆を深める大切な時間でもあります。
「がんばらなくても大丈夫。そばにいるよ。」 そう伝える時間は、子どもの心に安心という“根っこ”を育ててくれます。
📚子どもの心に届くおすすめ絵本
『ぼくのニセモノをつくるには』
自分の気持ちと向き合う力をくれる、ユーモアと優しさにあふれた一冊。
テーマ:自己表現の難しさ
主人公が「自分そっくりのニセモノ」を作ることで、自分が何を好きで何が嫌いなのかを考えていく物語。言葉でうまく伝えられない気持ちを、楽しく考えるきっかけに。
『スイミー』
ひとりぼっちの不安を乗り越え、仲間と力を合わせる勇気をもらえます。
テーマ:困難に立ち向かう力
小さな魚が仲間と力を合わせて大きな敵に立ち向かうお話。怖い思いをしている子どもにも、勇気を与える一冊です。スイミーだけみんなと色が違って最初は仲間とはぐれちゃう。でも、その違いが最後には大きな強みになるっていうのがまたいい話。
怖い思いをしている子に「大丈夫!」って言うんじゃなくて、「怖いことがあっても、工夫したり仲間と協力したりすれば乗り越えられるかもよ」って伝えられるのがスイミーの良さ。自分の違いを受け入れながら、たくましく生きていくスイミー、かっこいい!
『ちいさなあなたへ』
親の無償の愛を描いた名作。読むたびに親も心があたたかくなります。
テーマ:親の無償の愛
親が子どもに向ける愛情が詰まった物語。読み聞かせながら「どんなときもあなたを大切に思っているよ」という気持ちをそっと伝えられます。この本、読みながら親のほうが泣きそうになります。シンプルな言葉なのに、グッとくるものがある。子どもも、まだ言葉でうまく表現できなくても、じーんとした感じは伝わるのか、この本を読んだ後にふわっと優しい雰囲気になります。親子で気持ちがほぐれる時間というか、「大好きだよ」って改めて伝えられる時間になる感じ。こういう本って、「何かを教えよう」っていうよりも、一緒に感じることが大事なんだろうなと。
おわりに:親子で心を育てる時間を
子どもは、まだ「気持ちを言葉にする力」が発展途上。だからこそ、物語を通して、親子で一緒に気持ちに触れる時間が大切です。
「大丈夫。どんな気持ちも受け止めるよ。」
そんなメッセージを、物語を通してそっと届けてみませんか?
物語の世界は、子どもの心を育てる最高の遊び場です。今日、1冊から始めてみましょう。
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47 thoughts on “子どものぐずり、どう受け止める?”