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下の子が生まれて、家の中がパッと明るく、にぎやかになる。それはとてもおめでたいことですが、お母さんやお父さんにとっては「上の子のケア」に一番、頭を悩ませる時期でもありますよね。
そんなある日、上の子が持ってきた「家族の絵」を見て、ドキッとしたことはありませんか?

「あれ? 以前より自分の姿を小さく描くようになった?」
「赤ちゃんばかり描いて、お母さんやパパがいない……」
「家族の絵なのに、なんだか色が暗い気がする」
そんな変化を目の当たりにすると、「赤ちゃん返りかな?」「寂しい思いをさせて、心に傷を作っちゃったかな?」と、自分を責めてしまうお母さんもいらっしゃいます。
でも、まず最初にお伝えさせてください。 そうやってお子さんの小さな変化に気づき、心配している時点で、あなたはもう十分すぎるほど優しく、お子さんを大切に想っているお母さんです。
子どもの絵が変わるのは、決して「問題のサイン」ではありません。それは、新しい家族を迎え入れた自分の心を、一生懸命に整えようとしている「成長のプロセス」なんです。
今日は、元教諭の視点から、兄弟誕生後によく見られる絵の変化と、その奥にあるピュアな心理、そして親としての温かい関わり方についてお話ししていきますね。
この記事の内容
子どもの絵は「関係性の地図」|家族の中での自分の位置を映し出す
子どもの描く家族の絵は、単なるイラストではありません。それは、その子にとっての「家族の中での自分の居場所」を確認するための地図のようなものです。
家族構造の変化は、子どもにとっての「大事件」
大人にとって「弟や妹ができる」のは喜ばしい変化ですが、子どもにとっては、今まで自分ひとりに注がれていた100%の愛情が、突然現れた「赤ちゃん」というライバル(?)にシェアされる大事件です。

- 誰が一番近くにいる?
- 誰が今、力を持っている?
- 自分はどこに立っていればいい?
そんな不安や戸惑いを、子どもたちは絵を描くことで「今の状況はこうかな?」と整理しているのです。つまり、絵の変化は「安心を再構築しようと頑張っている証拠」。愛情の量ではなく、今の「心の立ち位置」が絵に出ているだけなんですよ。
🎨 あわせて読みたい基本の記事 [【保存版】子どもの絵から心を読み解くヒント|家族の絵に隠されたメッセージとは]
兄弟誕生後によく見られる「絵の変化」パターンと、その心理
それでは、具体的にどのような変化が起こりやすいのか、代表的なパターンを見ていきましょう。これらはあくまで「可能性」ですので、「うちの子はこうかな?」とゆったりした気持ちで読んでみてくださいね。
① 自分が小さく描かれる/端に描かれる
今まで画用紙の真ん中に大きく自分を描いていた子が、急に小さくなったり、隅っこの方に描いたりすることがあります。

- 心理の背景: 「お家の中の主役が、赤ちゃんに移っちゃったのかも」という戸惑いです。決して愛情が足りないわけではなく、「今の僕(私)の場所はここかな?」と、新しい立ち位置を探している最中なのです。
- 親へのメッセージ: 「ここにいていいんだよ」「ちゃんと見てるよ」という安心感を求めているサイン。絵の大きさが小さくなっても、お母さんの心の中の存在感は変わらないことを伝えてあげたい時期ですね。
自分を小さく描く子どもの心理についてもっと知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
② 赤ちゃんばかり描く/赤ちゃんだけ描く
家族全員ではなく、赤ちゃんだけを画面いっぱいに描くケースです。

- 心理の背景: 一見「赤ちゃんが大好き!」に見えますが、実は「この不思議な存在(赤ちゃん)を理解しようとして、意識が集中している」状態です。嫉妬心というよりは、自分たちの生活を一変させた「正体不明の闖入者」を、一生懸命に観察して受け入れようとしているプロセスといえます。
③ 家族の人数が減る/誰かがいない
「パパがいない」「赤ちゃんを描かない」といった、特定の家族が消えてしまうパターンです。
- 心理の背景: これは、今の変化を心がまだ「処理しきれていない」ときによく起こります。
- パパを描かないのは、今は「お母さんを独占したい」という気持ちの表れかもしれません。([関連記事:パパがいない絵の心理])
- 赤ちゃんを描かないのは、「以前の、自分だけの静かな生活」を懐かしんでいるのかもしれません。
- 捉え方: 「描かない=嫌い」と直結させる必要はありません。今はまだ、その存在を絵の中に組み込むだけの「心の余裕」を作っている最中なのです。
「赤ちゃん返り」「わがまま」と決めつけなくていい理由
絵にネガティブな変化が見えると、つい「赤ちゃん返りがひどくなるかも」「わがままを言わせないようにしなきゃ」と、親の側も身構えてしまいますよね。
でも、絵に気持ちが出せているということは、実はとても健康的なことなんです。
私が教員をしていた頃も、下の子が生まれたばかりの1年生の教室で、真っ黒な雲を描いたり、家族の絵に自分を入れなかったりする子をたくさん見てきました。 でも、その子たちが問題児だったかというと、全く逆です。学校では「いいお兄ちゃん・お姉ちゃん」を全力で演じている子ほど、絵の中でひっそりと「寂しいよ」「僕も構って」という本音を吐き出していたりします。
むしろ、絵の中で感情の整理が進んでいるからこそ、現実の世界でなんとか踏ん張れているという側面もあります。「わがまま」ではなく、心がオーバーヒートしないための「放熱作業」だと思ってあげてくださいね。
絵を見たときの「親の関わり方」|分析よりも“受け止め”を
お子さんの絵の変化に気づいたとき、一番大切なのは「分析して正解を探すこと」ではありません。お母さんが「あなたの表現を丸ごと受け止めるよ」という姿勢を見せることです。

声かけの基本姿勢:3つの「ない」
- 評価しない(うまいね、下手だねと言わない)
- 正解を求めない(なんで赤ちゃんがいないの?と聞かない)
- 理由を無理に聞き出さない(寂しいからこう描いたの?と誘導しない)
使いやすい声かけ例
- 「わあ、一生懸命描いたね。この絵、お母さん大好きだな」
- 「(自分を小さく描いた絵を見て)ここを一生懸命描いたんだね。どんな気持ちで描いたの?」
- 「今の〇〇ちゃんには、家族がこんなふうに見えてるんだね。教えてくれてありがとう」
NGになりやすい言葉(悪気はなくても避けたいもの)
- 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、もっと元気に描いてよ」
- 「赤ちゃん、もっとかわいく描いてあげなきゃかわいそうだよ」
- 「なんで自分をこんなに端っこに描いたの? 変だよ」
これらの言葉は、お子さんに「今の自分の気持ちは『間違い』なんだ」と感じさせてしまい、心を閉ざす原因になります。どんな描き方であっても、それがその瞬間のその子の「真実」です。
🔗【子どもの心理】兄弟げんかはなぜ起こる?見守るタイミングと親の関わり方
年齢別|兄弟の絵の見え方
お子さんの年齢によっても、兄弟の描き方は大きく異なります。
- 幼児期(~5歳頃): 理屈ではなく「快・不快」や「安心感」がダイレクトに出ます。赤ちゃんが生まれて「お母さんが取られた!」と感じれば、自分をうんと小さく、あるいは描かないことで、その寂しさを表現します。
- 小学校低学年(6~8歳頃): 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)としての役割」を意識し始めます。赤ちゃんを抱っこしている自分を描くなど、理想の姿を描こうとする一方で、色使いに本音が漏れることも。
- 思春期(11歳頃~): 兄弟との距離を冷静に見るようになります。あえて離して描いたり、記号的に描いたりするのは、自立が進んでいる証拠です。
🎨 詳しく知りたい方はこちら [【年齢別】子どもの絵はどう変わる?発達段階ごとの特徴と心の変化]
絵はずっと同じじゃない。関係が整うと、必ず変わる
今、お子さんが描いている「寂しそうな絵」や「アンバランスな絵」を見て、不安になる必要はありません。 絵はずっと同じではありません。
お母さんが「絵の中の小さなあなたも、大好きだよ」と受け止め続け、日々の生活でほんの5分でも「上の子だけと向き合う時間」を作っていけば、お子さんの心は必ず安定していきます。

心が整ってくれば、絵の中の自分も少しずつ大きくなり、いつの間にか赤ちゃんの手を引いている自分を描くようになります。今は、家族みんなが新しい形に馴染もうとしている「調整期間」なだけ。
「今は心が頑張って工事中なんだな」と、温かい目で見守ってあげてください。
まとめ|兄弟が生まれたときの絵は、心ががんばっている証
いかがでしたか? 下の子が生まれた後の「絵の変化」は、上の子が自分なりに新しい家族の形を必死に受け入れようとしている、尊い努力の跡です。
- 絵は「問題」ではなく「調整のプロセス」
- 小さく描くのは「居場所を探している」サイン
- 親ができる一番のことは、否定せずに「受け止める」こと
お母さんやお父さんが絵を見て安心していれば、その安心はお子さんにも必ず伝わります。
「あ、今の家族はこんな感じなんだね」と、一枚の絵をきっかけに、お子さんの心の冒険を一緒に楽しんでいけたら素敵ですね。
【あわせて読みたい関連記事】
- [「お母さんが大きい!」絵からわかる、子どもの揺るぎない信頼感]
- [パパがいない絵を描く心理|「嫌い」ではない意外な理由とは?]
- [子どもの絵の色使いが気になる……黒や赤が多いときはストレスサイン?]
お子さんの絵を通して、家族の絆がより深まることを願っています。 最後までお読みいただき、ありがとうございました!
🌟 もっと詳しく知りたい方へ 固定ページ [「子どもの絵で心を読み解く」] では、年齢やパーツ別のさらに詳しい解説をまとめています。ぜひチェックしてみてくださいね。
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- 「うちの子、変わってる?」と感じたときに読む記事 👉 個性と才能を大切に育てたい親へ
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ホーム » 兄弟が生まれたとき子どもの絵が変わる理由|それは“わがまま”ではなく心の調整サイン
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。







