このブログはPRを含みます
― すぐ描いて、すぐ消す。その行動の裏にある子どもの思考 ―
ぱっと描いて、ぱっと消せる。
便利な時代に、大人がつい感じてしまう違和感
iPadでお絵描きをする子どもを見ていて、
こんなふうに感じたことはありませんか?
- あまり考えずに描き始めている気がする
- 気に入らないと、すぐ消してしまう
- 「どうする?」と聞く前に、もう消えている
「ちゃんと考えてから描けばいいのに」
そう思ってしまう親の気持ち、とても自然です。
でも実はそれ、
考えていないのではなく、考えるスピードがとても速いだけかもしれません。
なぜ今の子どもは「考える前に消す」のか?
デジタル環境で育つ子どもたちは、
- 失敗してもすぐ戻せる
- 何度でもやり直せる
- 完成形だけを残せる
そんな世界を当たり前に生きています。
これは「挑戦しやすさ」という意味では、
とても大きなメリットです。
怖がらずに描ける。
間違いを恐れなくていい。
まずやってみることができる。
ただ一方で、こんな特徴も生まれやすくなります。
「とりあえず描く → ダメなら消す」
「考え続ける前に、リセットできてしまう」
つまり、
考える時間が短くなるのではなく、
考える“途中”が見えなくなるのです。
子どもは本当に「考えていない」?
ここで、大人の感覚と子どもの感覚には、
少しズレがあります。
大人にとっての「考える」は、
- しばらく止まる
- 迷う
- 手が止まる
といった“目に見える状態”であることが多いですよね。
でも子ども、とくにデジタルに慣れた子は、
- 頭の中で一瞬考える
- ダメだと判断したら即消す
- 次の案へすぐ切り替える
という高速思考をしています。
だから大人から見ると、
「何も考えてないみたい」
に見えてしまうことがあるのです。
「深く考える」=「長く考える」ではない
ここで大事にしたい視点があります。
それは、
考える深さと、考える時間は必ずしも一致しないということ。
デジタル世代の子どもたちは、
- 試す
- 判断する
- 切り替える
この一連の流れを、驚くほど短時間で行います。
これは「浅い」のではなく、
思考の回転が速い状態。
ただし——
速すぎるがゆえに、
- なぜダメだと思ったのか
- どこを変えようとしたのか
を言葉にする前に次へ進んでしまうことがあるのです。
デジタルアートは「直感」を育てるのが得意
実は、デジタルお絵描きには
紙にはない強みがあります。
それは、
- 直感をそのまま形にできる
- 思いついた瞬間に試せる
- 失敗を恐れず表現できる
という点。
直感的に描く経験は、
- 表現への自信
- 自己決定感
- 創造へのハードルの低さ
を育てます。
だから、
「じっくり考えさせなきゃ」と無理に止める必要はありません。
直感で描くこと自体は、
とても価値のある力です。
でも「考えた跡」が残らないと、育ちにくい力もある
一方で、こんな力は
“消えてしまう世界”では育ちにくくなります。
- 自分の考えを振り返る力
- 試行錯誤を言葉にする力
- 「なぜそうしたか」を説明する力
これは、
思考のプロセスを見返す経験があってこそ育つもの。
だから必要なのは、
直感を止めること
じっくり考えさせること
ではなく、
👉 「考えた軌跡に、あとから光を当てること」です。
デジタルでも“考える力”を育てる3つの関わり方
① 消す前に「一言」だけ聞いてみる
描き直す前に、
こんな声かけをしてみてください。
- 「どこがちがうなって思った?」
- 「さっきの線、どうだった?」
考えを説明させる必要はありません。
一言でOKです。
言葉にすることで、
思考が自分の中に残ります。
② 途中経過を“あとから”見る仕組みをつくる
おすすめなのは、
- レイヤーを残す
- 自動保存をONにする
- 画面録画をたまに使う
そして、後でこう聞いてみます。
「ここから、どう変えたんだっけ?」
これは反省会ではなく、
思考をたどる時間。
評価しないのがポイントです。
③ 「迷った時間」を肯定する言葉を持つ
子どもが手を止めたとき、
こんな言葉をかけてみてください。
- 「今、考えてたんだね」
- 「迷うのも大事な時間だよ」
これだけで、
考えていい
すぐ答えを出さなくていい
という安心感が生まれます。
じっくり考えさせなくていい。
でも、考えたことは“なかったこと”にしない
デジタル時代の子どもに必要なのは、
- 考える時間を長くすること
- 消させないこと
ではありません。
必要なのは、
考えたことが、自分の中に残る経験
直感で描いてもいい。
すぐ消してもいい。
でも、その裏にあった
「こうしようと思った」という気持ちを、
大人がそっと拾い上げてあげる。
それだけで、
子どもの思考はちゃんと育っていきます。
もし、
- 紙とデジタル、どう使い分ければいい?
- アナログも取り入れた方がいい?
と感じたら、
環境づくりの視点はこちらでまとめています。
🎨 はじめてのデジタルお絵描きに
「デジタルって難しそう…」と感じる方でも大丈夫。
指やペンで直感的に描けて、消せる・汚れない・片づけがラクなのが魅力です。
※ 続くか分からない時期こそ、気軽に試せる選択がおすすめです
このブログはPRを含みます
こんにちは!ITTI-BLOG(イッチーブログ)を運営している、いっちーです。
このブログでは、子どもの絵から心理を読み取り、心の成長や表現力を親子で一緒に楽しむヒントを発信しています。
「子どもの絵で心を読む専門サイト」として、日々の子育てに役立つ情報をお届けします。




