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はじめに|何もしていないように見える、あの時間
支援センターや公園、園の体験日。
わが子は部屋の端、壁ぎわ、親の後ろ。
他の子が走ったり遊んだりしている中で、
ほとんど動かず、じっと周りを見ている。
「遊ばないけど大丈夫?」
「何も経験していないように見える…」
「せっかく来たのに意味があったのかな」
そんな気持ちで帰宅した数日後、
ふとした会話やお絵かきで
「なんでそれ知ってるの?」
と驚いたことはありませんか。
この記事では、
端っこにいる子が“何をしているのか”、
そしてなぜあとから全部覚えているように見えるのかを、
子どもの心理と絵の視点から解説します。
結論|端っこは「何もしていない場所」ではない
端っこにいる子は、
遊んでいないのではありません。
全体を把握するための、最も安全で情報量の多い場所にいるのです。
特に、人見知り・場所見知りがある子や
観察型の気質をもつ子にとって、
端は「逃げ場」であり「観察席」でもあります。
なぜ子どもは、あえて端っこにいるのか
理由① 全体が見えるポジションだから
真ん中に入ると、
- 予測できない動き
- 突然の接触
- 大きな音
が一気に増えます。
一方、端にいれば
- 誰がどこにいるか
- 何が起きているか
- どんな雰囲気の場所か
を落ち着いて確認できます。
観察型の子にとって、
端は最も合理的なスタート地点です。
理由② 安心が保てる距離を測っている
子どもは本能的に、
「自分が安心できる距離」を探します。
端にいながら
- どこまで近づいていいか
- 誰なら大丈夫そうか
- 危険はないか
を、心の中でシミュレーションしています。
これは臆病さではなく、
自己防衛と自己調整の力です。
端っこにいる間、子どもは何を見ている?
動かない子の視線は、
実はとても忙しく動いています。
- 他の子の動き方
- 大人の声かけ
- ルールや流れ
- トラブルが起きた時の反応
これらを一つ一つ観察し、
「ここは安全」
「こうすれば大丈夫そう」
という判断材料を集めています。
だから“あとで全部覚えている”ように見える
観察型の子は、
行動と同時に記憶するのではなく、
観察したものをまとめて記憶する傾向があります。
そのため、
- その場では何もしない
- 発言も少ない
のに、
- 家で細かく再現する
- 会話で正確に説明する
- 絵で場面を描く
といった形で、
後日アウトプットが現れやすいのです。
絵に表れやすい「観察していた証拠」
特徴① 配置や位置関係が正確
- 人の並び
- 遊具の場所
- 部屋の構造
を、驚くほど正確に描くことがあります。
「そんなところまで見てたの?」
と感じるときは、
端での観察がしっかり行われていた証拠です。
特徴② 後日になって描く
その場では描かなかったのに、
- 翌日
- 数日後
に突然、
体験した場面を描き始めることがあります。
これは、
心の中で整理が終わったあとに表現が出ている状態です。
特徴③ 人の動きや表情が細かい
観察型の子の絵には、
- 手の位置
- 顔の向き
- 表情の違い
などが丁寧に描かれることがあります。
動かなかった分、
しっかり「見ていた」結果です。
親が感じやすい不安と、その整理
「経験していないのでは?」という不安
行動量が少ないと、
経験も少ないように感じます。
しかし、
観察も立派な経験です。
むしろ、
- 失敗を避ける
- 状況を理解する
という高度な経験を積んでいます。
「周りからどう見られているか」が気になる
親が一番つらいのは、
子どもではなく
周囲の視線かもしれません。
ですが、
その子にとって必要なのは
「早く入ること」ではなく
「安心していられること」です。
親にできる関わり方
① 無理に真ん中へ連れて行かない
「入っておいで」は、
観察型の子にはハードルが高い言葉。
端にいること自体を、
まずはOKにしましょう。
② 見ている行為を言葉にする
- 「よく見てるね」
- 「考えてるんだね」
動かないことではなく、
“していること”を言語化してあげます。
③ あとから出てくる表現を受け止める
絵や会話で
体験が出てきたら、
「覚えてたんだね」
「ちゃんと見てたんだね」
と、しっかり受け止めてあげてください。
「動かない=人見知りが強い?」と思ったら
端っこにいる行動は、
性格の一部であることが多く、
無理に直す必要はありません。
この気質については、
人見知りの子は“見てから描く”という視点で
詳しく解説しています。
まとめ|端っこは、心が働いている場所
端っこにいる時間は、
- 安全確認
- 状況理解
- 心の準備
が行われている、大切な時間です。
その積み重ねが、
- 正確な記憶
- 深い理解
- あとから出る表現
につながります。
今は動かなくても。
今は入らなくても。
その子なりの方法で、
ちゃんと世界とつながっています。
おすすめ教材で描く力をサポート
子どもが白い絵のまま止まってしまうときは、イメージを言葉にしたり、描く順番を整理する教材が役立ちます。特に以下の2冊は、楽しみながら描く力や思考力を伸ばせます。
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🔗発表会や参観日で自信がない子へ|自己肯定感を伸ばす教材ガイド
支援センターや児童館には、「遊ばせるため」よりも「安心して眺められる」おもちゃが多く置かれています。
家でも同じタイプがあると、「見たことがある」という安心感につながることもあります。
くみくみスロープ(木製)
車を転がすだけの単純な遊び。
何もしない子・見ているだけの時期でも視線を向けやすい定番。
木製ミニ食器セット
ごっこ遊びの入口に。
すぐ遊ばなくても、「見る→真似る」心の準備に使われます。
BRIO レールセット
支援センター定番。
触らなくても「世界観を眺める」観察期の子に向いています。
マグネット式おままごと
切る音・感触が楽しい。
手を出せるようになったサインが出やすいおもちゃ。
支援センターのおもちゃを見て、
「家にもあったらいいのかな…」と感じることもありますよね。
でも、今はまだ遊ぶかどうかわからない時期。
無理に一つずつ買いそろえなくても大丈夫です。
最近は、支援センターでよく見るタイプのおもちゃを、必要な時期だけレンタルできるサービスもあります。
「遊ばなかったら返せる」「成長に合わせて替えられる」
そんな親の気持ちを軽くする選択肢として、知っておくだけでも十分です。
🌸 支援センターで悩む親子のための読み進めガイド
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こんにちは!ITTI-BLOG(イッチーブログ)を運営している、いっちーです。
このブログでは、子どもの絵から心理を読み取り、心の成長や表現力を親子で一緒に楽しむヒントを発信しています。
「子どもの絵で心を読む専門サイト」として、日々の子育てに役立つ情報をお届けします。






