こんにちは、ITTI(イッチー)です。
子育てをしていると、子どもの描く絵にハッとさせられる瞬間ってありますよね。
昨日までは「ぐちゃぐちゃ描き」だったのに、急に丸を描いて「パパ!」と言ってみたり、自分自身を大きく描けるようになったり。
そんな中で、ある日突然、 「これ、〇〇ちゃん!」 と、幼稚園や保育園のお友達を描き始める時期がやってきます。
「あら、お友達を描くようになったのね」と微笑ましく思う反面、ふとこんな不安がよぎることはありませんか?
- 「なんで〇〇ちゃんだけ、こんなに顔が大きいの?」
- 「うちの子、隅っこの方に小さく描かれてるけど…いじめられてない?」
- 「毎日同じ子ばかり描いてるけど、執着しすぎじゃないかしら」
親の頭の中は、もうフル回転。絵一枚から、園での人間関係を深読みしてはハラハラしてしまう……。
これ、「子育てあるある」ですよね。
でも、大丈夫。安心してください。 お友達の絵を描き始めたということは、お子さんの心が家の中から一歩外へ踏み出し、「社会性」という名の冒険を始めた証拠なんです。
今回は、お友達を描き始めた子どもの心理と、親としてどう見守ればいいのか、元教諭の視点も交えてゆったり解説していきます。
この記事の内容
お友達の絵を描き始めるのは、いつ頃から?
「お友達の絵」と言っても、その描き方は年齢や発達によってガラリと変わります。
まずは、一般的な目安をのぞいてみましょう。もちろん、絵の発達は個人差がめちゃくちゃ大きいので、「へぇ〜、そんな感じなのね」と肩の力を抜いて読んでくださいね。
2〜3歳頃:人と物の区別がまだ「ふわっ」としている
この時期は、なぐり描きから、少しずつ「丸(円)」が描けるようになる頃。 本人の中では「お友達」と言っていても、描かれているのは丸が一つだったり、不思議な線だったりすることも。 この頃の子どもにとって、お友達は「一緒に遊ぶ対象」というよりは、「そこにいる、気になる存在」。自分と他人の区別もまだあいまいで、お友達を描くというよりは、「動く楽しい何か」を描いている感覚に近いかもしれません。
4歳頃:「自分以外の誰か」をハッキリ意識し始める
4歳を過ぎる頃から、いわゆる「頭足人(頭から手足が出ている絵)」を卒業し、体がある人間を描けるようになってきます。 この時期に「お友達」が登場するのは、大きな成長! 「自分ではない、意思を持った誰か」を客観的に捉え始めたサインです。お名前を言いながら描くことが増え、髪型や服の色でお友達を書き分けようとする健気な姿も見られるようになります。
5歳頃:関係性(ストーリー)が絵に出てくる
年長さんくらいになると、ただお友達を描くだけでなく、「一緒に砂場で遊んでいるところ」「手をつないでいるところ」など、自分とお友達の関係性を描くようになります。 「誰と誰が仲良し」「今日はみんなでこれをした」という、社会的な広がりが絵の中に表現されるようになるんですね。
大事なのは、早く描けるから偉いわけでも、遅いから友達がいないわけでもないということ。 「あ、今この子の心は外の世界に向き始めたんだな」という、心のアンテナの感度を信じてあげてくださいね。
なぜ「お友達」を描くようになるの?【子どもの心理】
そもそも、なぜ子どもはお友達を描こうとするのでしょうか。そこには、言葉ではうまく言えない、健気で愛おしい心理が隠されています。

自分の世界が広がってきた証拠
これまで、子どもの世界の中心は「ママ・パパ・自分」でした。 それが園生活を通じ、家族以外の人間と長時間過ごすようになります。 お友達を描くということは、「家庭という安全地帯」の外に、大切だと思える存在を見つけたということ。 「お友達が記憶の中に定着するほど、印象的な存在になった」という、輝かしいステップアップなんです。
言葉で説明しきれない気持ちを、絵で表している
子どもは、その日あった出来事をすべて言葉で説明することはできません。
- 「今日、〇〇ちゃんと遊んで楽しかったな」
- 「本当は一緒に遊びたかったけど、言えなかったな」
- 「〇〇ちゃんの着ていた服、可愛かったな」 そんな、胸の奥に溜まった「未消化のキラキラやモヤモヤ」を、絵を描くことでアウトプットしているんです。 いわば、絵は子どもにとっての「感情の記録装置」。描くことで、自分の気持ちをなぞり直しているんですね。
“誰と関わったか”を整理している
子どもにとって、園での人間関係は毎日がドラマです。 「今日は貸してって言えた」「今日は貸してくれなかった」。 そんな刺激的な毎日を、お友達を描くことで頭の中で整理整頓しています。 「〇〇ちゃんは、こんな顔。あの子は、こんな感じ」。 そうやって一人ひとりを描き分ける作業は、社会の構成員を認識していく、いわば「社会性の土台づくり」そのものなのです。
でも正直…親はちょっと心配になりますよね
さて、ここからは「親のリアルな本音」に切り込んでいきましょう。 「社会性の芽生えです!」なんて綺麗事を言われても、目の前の絵が「異様」に見えると、不安になるのが親心というものです。
例えば、こんな絵を見たらどう思いますか?
- 「なんで友達の顔だけ、画用紙いっぱいにデカいの!?」 (もしかして、圧倒されてる? 怖がってる?)
- 「自分だけ、手も足もない棒人間なんですけど…」 (自己肯定感が低いの? 存在感がないの?)
- 「毎日毎日、A君ばかり描いている。執着して嫌われてないかしら」 (もっといろんな子と遊んでほしいんだけど…)
分かります、分かります。私も元教諭として、保護者の方からこうした相談を何度も受けてきました。 「この絵、何かのアピールでしょうか?」「心理状態が不安定なのでしょうか?」と、心配で夜も眠れなくなるお母さんもいらっしゃいました。
でも、ちょっと待ってくださいね。 子どもが描く「大きさ」や「色」は、大人の感覚とは全く違うルールで動いているんです。
元教諭の視点|ここは心配しなくて大丈夫
教育の現場で何千枚もの子どもの絵を見てきた経験からお伝えします。 結論から言うと、絵の見た目だけで「人間関係のトラブル」を断定することはできません。
絵のバランス=人間関係の序列ではない
「自分よりお友達を大きく描く」のは、相手に萎縮しているからではありません。 子どもにとって、大きさは「物理的なサイズ」ではなく、「心の占有率」です。 「今日、〇〇ちゃんが転んでびっくりした!」と思えば、その子の顔が巨大になりますし、「〇〇ちゃんのキラキラの髪飾りが素敵だった!」と思えば、その髪飾りが体より大きく描かれたりします。 「大きく描く=印象が強い(大好き、または大注目)」というだけのこと。決して「上下関係」ではないので、安心してくださいね。
同じ友達ばかり描くのも自然なこと
毎日同じ子を描いていると、「依存」を心配する声もありますが、これはむしろ「心の安全基地」ができている証拠です。 大人だって、初めての場所に行ったら、まずは一番話しやすい人のそばにいたいですよね。 子どもにとってそのお友達は、園という広い社会の中で自分を支えてくれる「安心の象徴」なんです。気が済むまで描かせてあげて大丈夫ですよ。
描かれない子がいても問題なし
「仲良しのBちゃんの絵がない! 喧嘩したのかも!」と焦る必要もありません。 子どもの描画能力は、まだ発展途上です。 「描きたい気持ち」があっても、その日の集中力が切れてしまったり、画用紙のスペースがなくなったりして省略されることは日常茶飯事。 「描いていない=忘れた、嫌い」ではないのです。
こんな描き方のときは、少しだけ様子を見よう
基本的には「大丈夫!」とお伝えしましたが、もし以下のような様子が「何日も、何枚も」続くようなら、少しだけ注意深く日常を観察してみてください。 (※これだけで問題があると決めつけるのではなく、あくまで「寄り添うきっかけ」にしてくださいね)
- 極端に自分だけが消えてしまう、または隅で小さく震えるような線で描く もし、普段の園生活でも元気がなく、家でも元気がなくて、さらに絵の中でも自分が消え入りそうなら、「何か言いたいことがあるのかな?」とアンテナを立ててみましょう。
- 何度も何度も描いては、泣きながら消しゴムで消す 「うまく描けない」という葛藤ならいいのですが、何かに怯えるように消したり、描くこと自体が苦痛そうに見える場合は、心の疲れが溜まっているサインかもしれません。
- 毎回、全く同じ「怖い場面」で手が止まる 特定のトラブル(突き飛ばされた、怒鳴られた等)がフラッシュバックしている可能性もゼロではありません。
ただ、これらはあくまで「絵」だけで判断するのではなく、「園での様子」や「最近の食欲・睡眠」などとセットで見ることが大切です。 絵はあくまで、小さなサインの一つに過ぎません。
親の関わり方|声かけは「聞く」が正解
お友達の絵を見せてくれたとき、私たちはどう反応すればいいのでしょうか。 ついやってしまいがちな「NG例」と、子どもの心を広げる「OK例」をご紹介します。
✕ ついついやってしまうNG例
- 「〇〇ちゃんと仲良しなの?」 (「仲良くしなきゃいけない」というプレッシャーになることも)
- 「ケンカしちゃダメだよ」 (絵を描いただけなのに、釘を刺されると悲しい気持ちに)
- 「あの子、ちょっと意地悪そうな顔になっちゃったね」 (子どもの主観を大人の価値観で上書きしないこと)
〇 子どもの世界を広げるOK例
- 「わあ、〇〇ちゃんを描いたんだね。どんな子なの?」 (「お友達のことを教えて」というスタンスで聞く)
- 「ここ、ピンク色で塗ったんだね。楽しかったのかな?」 (色や形に注目して、本人の気持ちをのぞいてみる)
- 「ニコニコしてるね。何をお話ししてるんだろう?」 (絵の中の物語を膨らませるお手伝いをする)
コツは、「評価しない・決めつけない・広げる」こと。 親は「名探偵」になって真相を暴くのではなく、「通訳」としてお子さんの言葉にならない気持ちを一緒に味わうくらいの距離感がベストです。
お友達の絵は、社会性のスタートライン
お友達の絵を描くようになった。 それは、お子さんが「自分以外の人の心」に触れ始め、葛藤したり、喜んだり、憧れたりしながら、一生懸命に人間関係を学んでいる証です。
手が3本あっても、顔が紫でも、自分よりお友達が巨大でも、いいんです。 それは、その瞬間のお子さんの心が感じた「真実」なのですから。
今日、お子さんが持ち帰ってきたその一枚。 そこには、小さな背中で大きな社会に飛び込んでいった、勇気の跡が刻まれています。
「上手だね」よりも、「お友達のこと、大切に思ってるんだね」。 そんな風に、お子さんの「心の発達」を丸ごと抱きしめてあげてください。
今日描いたその一枚は、 “人とつながろうとしている、一生懸命な心のメモ” なのかもしれませんよ。
いかがでしたか? 「お友達の絵」から見える子どもの世界、ちょっとワクワクしてきませんか? もし「うちの子、こんな不思議な絵を描くんです!」というエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
次に読んでほしい記事はこちら: 「うちの子、絵が下手?」と不安になったら読んでほしい、絵の発達のホントの話
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
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子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
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