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――前より下手?やる気がない?それ、本当に退化でしょうか
「前より雑になった気がする」
「線が荒いし、途中で投げたみたい」
「昔のほうが丁寧だったのに……」
子どもの絵を見て、こんなふうに感じたことはありませんか。
でも実は、絵が雑・適当に見える時期は、成長の“後退”ではなく“変化”であることがとても多いのです。
この記事では、
・急に絵が雑に見える理由
・「やる気がない」のではないケース
・親が見落としやすい成長のサイン
を、子どもの心理と発達の視点から解説します。
急に絵が雑に見えるとき、子どもの中で起きていること

表現を「省略できる」ようになった
幼児期〜低学年の頃は、
全部描く/一つ一つ丁寧に描く/思いつくまま足していく
といった描き方が中心です。
ところが成長とともに子どもは、
「ここは描かなくても伝わる」
「これは省いてもいい」
「大事なのはここだけ」
と、取捨選択を始めます。
その結果、大人の目には
「雑」「手抜き」に見えることがあるのです。
「全部をきれいに描く」ことに意味を感じなくなった
子どもが絵を描く目的も、少しずつ変わっていきます。
以前は「描くこと自体が楽しい」。
でも次第に、
「考えを表したい」
「伝えたいところだけ描きたい」
に変わっていきます。
この段階に入ると、線の丁寧さや完成度よりも、
スピードや要点を優先するようになります。
これは、思考が一段階レベルアップしているサインです。
効率化する思考が芽生えている
「時間をかけなくてもできる」
「必要なところだけ描けばいい」
こうした考え方は、学習や仕事にもつながる
とても大切な力です。
絵が雑に見える背景には、
・頭の中で完成図が見えている
・描く前に考えている
・無駄を省こうとしている
といった、“考えてから描く”段階への移行が隠れていることもあります。
「やる気がない」と決めつけなくていい理由
線が荒い、途中で終わっている、投げたように見える。
そうなると、「やる気がないのでは?」と思ってしまいますよね。
でも次のような様子があれば、
やる気がないわけではない可能性が高いです。
・説明をすると内容はしっかりしている
・話すとイメージは豊か
・他の表現(文章・工作・ゲームの設定づくりなど)には集中している
表現のエネルギーを、別の場所に使っているだけかもしれません。
親ができる関わり方|「雑だね」は逆効果
この時期に避けたい声かけは、
「前のほうが上手だったね」
「もっと丁寧に描きなさい」
「適当にやってるでしょ」
といった言葉です。
代わりにおすすめなのは、
「ここ、描きたかったところ?」
「一番大事なのはどこ?」
「どうしてこうしたの?」
といった聞き方。
雑さではなく、選択に目を向ける関わり方が、子どもの思考を守ります。
本当に注意が必要なケースは?
次のような変化が重なっている場合は、
絵以外も含めて様子を見ることが大切です。
・何をしても楽しそうでない
・学校や生活面の変化が大きい
・急激な変化が長く続いている
ただし、その場合も
絵だけで判断する必要はありません。
チェックリスト|「成長の変化」と考えてよいサイン
次の項目に多く当てはまる場合、
絵が雑に見えるのは後退ではなく成長過程の可能性が高いです。
・描くスピードが以前より速くなった
・線は荒いが、テーマははっきりしている
・説明をすると内容が筋道立っている
・絵以外の活動(文章・ゲーム・工作など)には集中している
・「ここが大事」と言葉で説明できる
・描き直しや色塗りをあまり気にしなくなった
※ 絵以外の生活全体も、あわせて見ることが大切です。
Q&A|よくある疑問
Q1. 前より下手になったように見えます。本当に成長ですか?
A. 多くの場合、技術が落ちたのではなく、描き方が変わっています。
「全部描く」から「必要な部分を選ぶ」段階へ進んでいる可能性があります。
Q2. 雑に描く=やる気がない、ではないのですか?
A. 必ずしもそうではありません。
頭の中で完成イメージができていると、線や細部を省くことがあります。
Q3. 途中で描くのをやめるのは問題ですか?
A. 一時的であれば心配しすぎなくて大丈夫です。
「もう伝わった」と感じている場合もあります。
Q4. 以前は丁寧だったのに、戻ることはありますか?
A. はい。目的や興味が変わると、また丁寧に描く時期が来ることも多いです。
Q5. 親はどう声をかけるのがよいですか?
A. 「雑だね」ではなく、
「どこを一番描きたかった?」
「ここはどういう意味?」
など、選択に目を向けた聞き方がおすすめです。
まとめ|雑に見えるのは「考える力」が育っている証拠かもしれない
急に絵が雑・適当になったように見えるのは、
・表現を省略できるようになった
・効率を考え始めた
・描く前に考えるようになった
そんな思考の成長が影響していることがあります。
「前より下手になった」ではなく、
「描き方が変わった」と捉えてみてください。
子どもの絵は、成長とともに、必ず形を変えていきます。
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こんにちは!ITTI-BLOG(イッチーブログ)を運営している、いっちーです。
このブログでは、子どもの絵から心理を読み取り、心の成長や表現力を親子で一緒に楽しむヒントを発信しています。
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