このブログはPRを含みます
子どもがiPadで描いた絵。
色づかいもきれいで、線もなめらか。
それを見た瞬間、思わず「すごいね」「上手だね」と声をかけたくなる──そんな経験、ありませんか。
けれど、その「上手に見える」感覚の裏には、親が気づきにくい落とし穴があります。
それが、描き直しの痕跡が見えないことです。
このページでは、親記事でお伝えしている
- 子どもの絵は「完成」より「過程」に価値があること
- 親の見方ひとつで、子どもの自己肯定感は大きく変わること
この考え方をベースに、デジタルお絵描きならではの注意点と関わり方を、元教諭の視点から整理します。
デジタルお絵描きで見えなくなる「描き直しの痕跡」
デジタルお絵描きには、子どもにとってとても魅力的な機能があります。
- 間違えたらすぐ戻せる
- 消しても画面が汚れない
- 何度描き直しても跡が残らない
これは安心して描ける、素晴らしい環境です。
一方で、親の目線から見ると、こんなことが起こります。
・どこで迷ったのか
・何度やり直したのか
・どんな試行錯誤があったのか
こうした「描く途中のドラマ」が、完成画面からはほとんど読み取れなくなるのです。
紙の絵なら、消しゴムの跡や重なった線から、自然と伝わってきたもの。
それがデジタルでは、きれいさと引き換えに、見えにくくなります。
「上手に見える=よく考えている」とは限らない
デジタルの絵が整って見えると、
- 技術が一気に伸びたように感じる
- 前より成長したと思える
そんな錯覚が起きやすくなります。
もちろん、実際に力が伸びている場合もあります。
ただし、見た目の完成度だけで判断してしまうと、こんなズレが生まれます。
- 悩まずに描いて、すぐ消している
- うまくいかない部分は試行錯誤せず消している
- 考える前に「なかったこと」にしている
これらは、完成画面だけでは判断できません。
だからこそ、親記事でお伝えしているように、
「どう描いたか」「どんな気持ちだったか」に目を向ける視点が、デジタルではより重要になります。
アナログの絵に残る「考えた証拠」
紙に描いた絵には、たくさんの情報が残っています。
- 消しゴムでこすった跡
- 線を何度も重ねた部分
- 描き直しで紙が少し破れているところ
それらはすべて、
「この子、ここで考えたんだな」
「あきらめずに工夫したんだな」
というサインです。
教員時代、私は完成度よりも、こうした跡をよく見ていました。
なぜなら、そこにこそ子どもの思考と感情が表れていたからです。
デジタルお絵描きで親が意識したい視点
デジタルが悪い、という話ではありません。
大切なのは、親の見方を少し変えることです。
完成した絵を見たとき、もし余裕があれば、こんな声かけをしてみてください。
- 「ここ、最初はどんなふうに描いてた?」
- 「一番むずかしかったところはどこ?」
- 「何回くらい描き直した?」
これは評価ではなく、過程に光を当てる質問です。
すると子どもは、
- 自分が考えたことを言葉にする
- 試行錯誤を肯定的に振り返る
- 「がんばった時間」を認めてもらえたと感じる
こうした経験を積み重ねていきます。
元教諭から伝えたいこと:見えない過程こそ宝物
教室で子どもたちを見ていて、いつも感じていたのは、
一番成長が詰まっているのは、うまくいかない時間
だということです。
描いては消し、考えては悩み、黙り込んでまた描き始める。
その静かな時間に、子どもの中ではたくさんの思考が動いています。
デジタルでは、その痕跡が画面に残りません。
だからこそ、大人が意識して見ようとする姿勢が必要になります。
おわりに:きれいな絵の奥にあるもの
iPadの絵は、確かにきれいです。
でも、きれいだからこそ、見えなくなっているものがあります。
それは、
- 迷ったこと
- 立ち止まったこと
- もう一度やり直したこと
親がそこに目を向けてくれたとき、子どもは安心して、また描き始めます。
完成だけで終わらせない。
「どう考えたの?」と寄り添う。
その関わりが、デジタル時代の考える力を、静かに育てていきます。
🔗 紙とタブレット、どっちが正解?子どものデジタルアートで育つ力と親の正しい関わり方
関連リンク:子どもの気持ちを大切にする視点
✅【兄弟が生まれたとき】子どもの絵に現れる気持ち
✅「えっ、こんな気持ちだったの?」子どもの心が見える絵のサイン
✅家族の絵を描くときの心理
✅子どもの絵でよく使われる「色」
🎨 はじめてのデジタルお絵描きに
「デジタルって難しそう…」と感じる方でも大丈夫。
指やペンで直感的に描けて、消せる・汚れない・片づけがラクなのが魅力です。
※ 続くか分からない時期こそ、気軽に試せる選択がおすすめです
このブログはPRを含みます
こんにちは!ITTI-BLOG(イッチーブログ)を運営している、いっちーです。
このブログでは、子どもの絵から心理を読み取り、心の成長や表現力を親子で一緒に楽しむヒントを発信しています。
「子どもの絵で心を読む専門サイト」として、日々の子育てに役立つ情報をお届けします。




