こんにちは、ITTI(イッチー)です。
幼稚園や保育園の廊下に張り出された、クラス全員の絵。
わが子の作品の前で、ふと足が止まることはありませんか?
「あれ……? お隣の〇〇ちゃんは、もう指までしっかり描いてる」
「うちの子の絵、正直に言うと……何を描いたのかさっぱり分からない」
「もしかして、手先が不器用なのかな? 発達がゆっくりなのかな?」
SNSを開けば、同い年の子が描いたとは思えないほど「上手な」絵が流れてきて、また一歩、ズーンと沈んでしまう……。 分かります、分かりますよ。
たぶん今、この記事を読んでくださっている方の検索履歴には、「うちの子 絵 下手」「4歳 絵 ぐちゃぐちゃ」「お絵描き 苦手 発達」なんて言葉が並んでいるのではないでしょうか。
でも、先にこれだけは言わせてください。
その「モヤモヤ」を感じるのは、あなたがわが子の成長を誰よりも願っている証拠です。
決して「ダメな親」でも「心配しすぎ」でもありません。
今日は、そんなお父さん・お母さんの心が少しでも軽くなるように、元教諭の視点から「子どもの絵と発達のホントの関係」について、たっぷりとお話ししていきます。 読み終わる頃には、わが子の「下手に見える絵」が、愛おしい成長の記録に見えてくるはずです。
🔗【保存版】お絵描きに興味がない子への導入法|“描きたい!”気持ちを育てる3ステップ
この記事の内容
「絵が下手?」と感じてしまう理由は、親が悪いわけじゃない
まず大前提として、親が「うちの子、絵が下手かも?」と不安になるのは、今の時代、ある意味「不可避」なことなんです。
比べてしまう環境が整いすぎている
私たちの親世代にはSNSなんてありませんでした。 比べる対象はせいぜい近所の子か、参観日の展示作品くらい。 ところが今はどうでしょう。Instagramを開けば「#5歳児の絵」というハッシュタグで、大人顔負けの色彩感覚やデッサン力を披露するスーパーキッズが目に入ります。
「世界中の『上手な子』が手のひらの中にいる」状態なんです。
これでは、目の前のわが子の絵が物足りなく見えてしまうのも無理はありません。
比べないつもりが、スマホを開くたびに「しっかり無意識で」比べてしまっている。
これが現代の親が抱える、一番のストレスの正体です。
「発達」という言葉の重み
最近は育児情報が手軽に手に入る分、「〇歳ならこれくらい描けるはず」という目安に縛られやすくなっています。 「絵が描けない = 指先の知育が足りていない? = 発達に問題がある?」という連想ゲームが始まってしまうと、もう不安のループから抜け出せませんよね。
でも、安心してください。
親が不安になるのは、「この子の可能性を伸ばしてあげたい」という愛情の裏返しです。 ただ、その「伸ばしたい」というエネルギーの向け先を、少しだけ変えてみませんか?
子どもの絵は「センス」ではなく「発達段階」で変わる
「うちの子には絵のセンスがない」と嘆く前に、知っておいてほしいことがあります。 子どもの絵の発達は、運動能力と同じように、いくつかの「決まった階段」を上っていきます。 今、お子さんが「下手」に見える位置にいるのは、センスがないからではなく、「今はその階段をじっくり踏みしめている最中」だからなんです。
なぐり描き期(スクリブル期):手と体が主役
1歳半〜2歳半頃に見られる、線がぐるぐる、ぐちゃぐちゃと重なっている時期です。 これ、大人から見れば「ただの落書き」ですが、子どもにとっては「自分の手の動きが、紙に跡を残す!」という大発見の連続なんです。 この時期に大切なのは、形を描くことではなく「腕を動かす快感」を味わうこと。 いわば「スポーツ」としての絵です。ここでしっかり「描くって楽しい!」という感覚を育むことが、のちの「上手・下手」の土台になります。
記号的な絵(象徴期):世界を整理する時期
3歳〜4歳頃になると、丸を描いて「パパ」、点を打って「雨」など、描いたものに意味を込めるようになります。 この時期の絵は、見たままを描くのではなく、「自分の中にある概念(記号)」を描いています。 「人は頭があって、目があって、足がある」という情報を整理してアウトプットしている段階なので、バランスが悪かったり、手が3本あったりしても、それは「頭の中の整理中」のサイン。下手なのではなく、「情報の組み立て中」なんです。
イメージ先行期:描けなくなったように見える理由
実は、ここが一番親が不安になりやすいポイントです。 5歳〜6歳頃、それまで勢いよく描いていた子が、急に「描けない」と言い出したり、絵がこじんまりしてきたりすることがあります。
これは「下手になった」のではなく「脳が高度化した」証拠です。
自分の理想(「もっとかっこいい恐竜を描きたい!」)に対して、自分の手(運筆力)がまだ追いついていない。 「手が脳に追いついてない問題」が発生しているんですね。
客観的に見る力が育ったからこそ、自分の絵に納得がいかなくなる。これは、表現者として非常に高度な成長ステップなんです。
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上手に描けなくても、ちゃんと育っている力
「写真のようにリアルに描けること」だけが、お絵描きのゴールではありません。 たとえ、パッと見が「ぐちゃぐちゃ」でも、その背景でお子さんは驚くほどたくさんの力を育んでいます。
「見る力(観察力)」
「ここを描きたい」と思ったとき、子どもは対象をじっと見ます。 あるいは、過去の記憶を必死に手繰り寄せます。
「アリの足ってどこから出てたかな?」
「ママの服、今日は何色だったかな?」
この「対象に意識を向ける力」こそが、学習の土台となる集中力や観察力につながります。
「考える力(構成力)」
「ここに自分を描いて、その隣にイチゴを描こう」
画用紙という限られた世界の中で、何をどう配置するかを考える。
これは立派な「ロジカルシンキング(論理的思考)」の始まりです。
「あ、イチゴが大きすぎて自分が入らなくなっちゃった!」という失敗さえも、子どもにとっては貴重な「空間把握の学び」になります。
「工夫する力(問題解決力)」
「水色が使いたいけど、もう短くて描けない」
「だったら、青を薄く塗ってみようかな」
「あ、黄色の上から青を塗ったら緑になっちゃった!」
お絵描きは実験の宝庫です。
大人が教えなくても、子どもは描きながら「どうすれば思い通りになるか」という試行錯誤を繰り返しています。
「伝えようとする力(コミュニケーション力)」
描き終わったあと、子どもが「見て見て!」と持ってくる。
それは、「僕の(私の)中にあるこのワクワクを、大好きなあなたに伝えたい」という究極の愛情表現です。
「上手に描けたかどうか」よりも、「自分の世界を他者と共有しようとする勇気」が、そこに詰まっているんです。
「絵が苦手そうな子」に親がやってしまいがちなこと
「よーし、じゃあもっと練習させてあげよう!」と張り切ってしまうのが、私たち親の性(さが)。 でも、良かれと思ってやったことが、逆にお絵描き嫌いを加速させてしまうこともあるんです……。
正解を教える
「リンゴは赤でしょ?」「目はこうやって描くんだよ」
ついつい「正しい描き方」をコーチングしてしまいませんか? 大人の正解を押し付けてしまうと、子どもは「僕の描き方は間違っているんだ」と感じてしまいます。
お絵描きが「自由な表現」から「正解を当てるテスト」に変わった瞬間、子どものペンは止まってしまいます。
上手に描かせようとする(コーチ化)
「もっと画用紙いっぱいに描きなさい」「隙間を埋めて!」
気づけば応援のつもりが、熱血スポーツコーチのようになっていませんか?(笑)
大人だって、リラックスして趣味を楽しんでいるときに「もっと本気でやって!」と言われたら、ちょっと嫌になっちゃいますよね。
比較・評価してしまう
「お友達の〇〇ちゃんは、もう背景まで描いてたわよ」
「前より上手になったね(=前は下手だったね)」
「上手」という言葉は、一見ポジティブですが、裏を返せば「上手じゃないと価値がない」というメッセージになりかねません。
「評価」の視線を感じると、子どもは失敗を恐れるようになります。
今日からできる、安心感を渡す関わり方
では、親はどう関わればいいのでしょうか。 今日からすぐに使える、子どもの「描きたい!」という気持ち(=自己肯定感)を育むヒントをお伝えします。
1. 見たままを言葉にする(実況中継)
「上手だね」の代わりに、描いてあるものをそのまま実況中継してみてください。
- 「あ、ここに赤い丸があるね」
- 「力強い線がびゅんびゅん走ってるね」
- 「ここの色、すごく丁寧に塗ったんだね」
これだけでいいんです。 「あなたの描いたもの(存在)を、私はしっかり見ているよ」というメッセージが伝わります。子どもは評価されるよりも、共感されることで安心します。
2. 「完成」しなくていい
画用紙の真ん中に点一つ描いて「おしまい!」と言っても、「え、もっと描きなさいよ」とは言わずに、「おしまいなんだね、分かった!」と受け止めてあげましょう。
子どもにとっての「満足」は、大人の「完成」とは限りません。
「自分の意志で終わらせた」という自己決定感を大切にしてあげてください。
3. 描かない日があっていい
「うちの子、全然絵を描かないんです」という相談もよく受けます。
でも、表現方法は絵だけではありません。 ブロックで何かを作るのが好きな子、体を動かして表現するのが好きな子、おしゃべりで空想の世界を伝えるのが好きな子。
お絵描きは、数ある表現手段の一つに過ぎません。
今は「観察期」なんだな、とゆったり構えていて大丈夫です。
4. 「何も言わない」という魔法
子どもが集中して描いているときは、無理に声をかけず、ただ隣で読書をしたり家事をしたりして、「穏やかな空気感」を作ってあげる。
これが実は、最高のサポートだったりします。
「親が見張っていない自由な空間」でこそ、子どもの自由な発想は爆発するものです。
「絵が下手?」と感じたときに思い出してほしいこと
最後に、この記事を読んでくださっているあなたに一番伝えたいことを書きます。
子どもの絵は、誰かに見せるための「作品」ではありません。 それは、「今、その子の心の中で何が起きているか」を映し出す、世界に一つだけの生きた記録です。
線が震えていても、色がはみ出していても、それが「今のわが子」の等身大の姿です。 数年後、お子さんが大きくなって、すっかり「大人びた、正しい絵」を描くようになったとき……。 あなたはきっと、今日あんなに「下手だなあ」と心配していた、あの不思議な丸や、謎の生き物の絵を、涙が出るほど愛おしく思い出すはずです。
今の絵は、今しか描けません。
「上手・下手」という大人の眼鏡を一度外して、わが子の描く「不思議な世界」を一緒に楽しんでみませんか? あなたが面白がって見てくれることが、お子さんにとっては何よりの栄養になります。
今日持ち帰ってきたその一枚。 裏側にそっと日付と、お子さんがその時言った言葉をメモして、大事にしまっておいてください。 それは「成績表」ではなく、「愛すべき成長の足跡」なのですから。

いかがでしたか? 「なんだ、下手でも大丈夫なんだ!」と、少しでも心が軽くなっていたら嬉しいです。 お絵描きに正解はありません。親子で一緒に、白い紙の上を冒険する時間を楽しんでくださいね。
次に読んでほしい記事はこちら: お友達の絵を描くようになったら?それ、社会性の芽生えです|親がちょっと戸惑う“成長のサイン”
ホーム » 「うちの子、絵が下手?」と不安になったら読んでほしい|絵の発達のホントの話
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。


