※この記事は「子どもの絵に出てくるモチーフ全体の意味」をまとめた
親記事の一部です。
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この記事の内容
夜空を描いたその一枚を見て、胸がざわついたあなたへ
仕事や家事が一段落した夜、ふと子どもが昼間に描いた絵が目に入る。画用紙いっぱいに塗られた濃い青色、あるいは真っ黒な背景に、ポツンと浮かぶ黄色い月や小さな星たち。

「きれいだね」と声をかけようとして、ふと指が止まる。
「どうして夜の絵を描いたんだろう?」
「最近、学校に行きたくないって言っていたことと関係があるのかな」
「この月は、寂しさのあらわれなんじゃ……」
そんなふうに、胸の奥がざわついたことはありませんか? スマホを取り出し、「子ども 絵 月 意味」「子供 夜の絵 心理」と検索してはこの記事にたどり着いた。そんなお父さん、お母さん。まずは、深呼吸をひとつだけしてみてください。
あなたが今、お子さんの絵を見て「何かあるのかも」と不安になったのは、それだけお子さんのことを「ちゃんと見ようとしている証」です。どうでもよければ、スルーして終わりです。何かのサインを見逃したくない、その子の揺れ動く心に寄り添いたい。そんなあなたの愛情が、その「ざわつき」の正体です。
この記事は、絵の心理分析をして「この絵は〇〇という病理です」と断定するためのものではありません。むしろ、その逆です。 「当てはめない」「決めつけない」。 今、目の前にある絵をきっかけに、少しだけお父さん・お母さんの心の肩の力を抜いて、お子さんとの距離をちょうどよく整えるための、止まり木のような場所にしたいと思っています。
第1章|子どもはなぜ「月」や「星」を描くのか
1-1. 月や星は「特別なサイン」なのか?
インターネットで検索すると、時にショッキングな言葉が目に飛び込んでくることがあります。「暗い色は抑圧のサイン」「月は母親への依存」……。そんな文字を見て、さらに不安を募らせてしまった方もいるかもしれません。
でも、少しだけ立ち止まってみませんか。 絵は「気持ちが形になった結果」のひとつではありますが、それがすべてではありません。ましてや、絵が「問題の原因」であることは絶対にありません。 風邪を引いたときに熱が出るのと同じで、もし何らかのサインだとしても、それは「今、この子はこういう世界に触れているんだな」というひとつの現象に過ぎないのです。
1-2. 子どもにとっての月・星の身近さ
そもそも、子どもにとって月や星は、私たちが思う以上に身近で魅力的なモチーフです。 人気の絵本には必ずと言っていいほどお月様が出てきますし、アニメやゲームの世界でも、夜のシーンはドラマチックに描かれます。
また、造形的な視点で見ると、月や星は「描きやすい」という側面もあります。 「何を書いていいかわからないけれど、画用紙の余白を埋めたい」というときに、キラキラした星や黄色いお月様は、画面をパッと明るくしてくれる救世主のような存在なのです。ただ単に「黄色が好きだから」「形がかっこいいから」という理由で描かれることも、実はとても多いんですよ。
1-3. 親が“意味を探したくなる”心理
お子さんが不登校気味だったり、最近元気がなかったりすると、親はどうしても「理由」が欲しくなります。「これが原因だ」という正解が見つかれば、対処ができると思うからです。
だから、絵の中に答えを探してしまうのは、親としてごく自然な反応です。 「意味を探したくなる自分」を責める必要はありません。ただ、「答えが見つからないこと」もまた、ひとつの健全な状態である、ということを心の片隅に置いておいてほしいのです。
第2章|月・星の描かれ方から見える“いくつかの傾向”
ここでは、よく見られる描かれ方について触れていきます。ただし、これらはあくまで「そういう側面もあるかもしれない」というひとつの視点に過ぎません。占いのように当てることではなく、「そんな見方もできるのか」と視野を広げる材料にしてみてくださいね。
2-1. 夜空が大きく描かれているとき
画面全体が夜空で覆われていると、大人は「暗い気持ちなのかな」と心配しがちです。 けれど、子どもにとって広い夜空は「誰にも邪魔されない自由な想像の世界」であることがあります。
現実の世界(学校やルール)で少し疲れているとき、子どもは絵の中で自分だけの静かな居場所を作ります。それは現実逃避ではなく、自分の気持ちを落ち着かせるための「セルフケア」のような時間。真っ暗な夜空は、子どもにとっての「安心できる毛布」のような役割を果たしているのかもしれません。
2-2. 月や星がひとつだけ描かれているとき
ポツンと描かれた月。それを見ると「孤独」や「寂しさ」を連想するかもしれません。 もちろん、静かな気持ちを表現している場合もありますが、一方でそれは「強い集中力」や「こだわり」のあらわれであることもあります。
「この月を、最高にカッコよく描きたい」。 そんな職人のような気持ちで、ひとつのモチーフに向き合っているときは、周りに余計なものは必要ありません。少ないことは「欠けている」ことではなく、その子にとっての「純粋さ」や「充足」である可能性も、十分にあるのです。
2-3. 人物や家と一緒に描かれているとき
月や星と一緒に、家族や自分、あるいは小さなおうちが描かれている場合。 これは、夜という静かな世界の中にも、「つながり」や「安心」を求めている(あるいは感じている)サインかもしれません。
「暗い夜だけど、おうちの中は温かいんだよ」。 そんなふうに、自分を取り巻く世界との関係性を確認しながら描いていることもあります。誰かが一緒に描かれているなら、それはその子にとっての「お守り」のような存在を描き加えたのかもしれませんね。
月や星が気になる子にぴったりの絵本をご紹介します🌙

おつきさまこんばんは―くつくつあるけのほん4 (福音館 あかちゃんの絵本)
夜の世界への安心感をやさしく育んでくれる名作。 お月さまを描く子の“心の動き”にも寄り添う一冊です。
🌟【一覧表】月と星から読み解く子どもの心
夜空のモチーフは、お子さんの「安心感」や「想像力」のバロメーターです。
1. 月の形・大きさ:今の「安心感」と「繊細さ」
月はお子さん自身や、見守ってくれる存在への安心感を映し出すことがあります。
| 月の形・大きさ | 表わしているサイン(目安) |
| 満月 | 満足・達成感 心が満たされていて、大きな安心感の中にいる状態。 |
| 三日月・細い月 | 繊細・内省 静かに自分の世界に集中したい、デリケートな時期。 |
| 大きな月 | 存在感のある感情 「守られたい」という甘えたい気持ちや強い思い。 |
| 小さな月 | 静かな安心感 控えめながらも、自分なりの居場所を感じている状態。 |
2. 星の数・並び方:広がる「興味」と「秩序」
星の描き方には、お子さんの社会性や、物事への向き合い方が現れやすいです。
| 星の描き方 | 表わしているサイン(目安) |
| たくさんの星 | 希望・社交性 夢やワクワクが広がっている、人との繋がりを求める心。 |
| 少ない星 | 特別感・集中 今、特定の好きなことや、自分の内側に意識がある状態。 |
| 整列した星 | 秩序・計画性 きっちりすることで安心したい、ルールを大事にしたい。 |
| 散らばった星 | 自由・創造性 枠にとらわれない発想や、多様な興味が溢れている。 |
3. 夜空の色:心の「静けさ」と「冒険心」
空の色は、お子さんが今「どんな空気感」の中にいたいのかを教えてくれます。
| 空の色 | 表わしているサイン(目安) |
| 深い紺・黒 | 落ち着き・集中 静かな環境で、何かにじっくり取り組みたいサイン。 |
| 紫・青のグラデーション | 幻想・夢見心地 豊かな感性。ファンタジーや夢の世界を楽しんでいる。 |
| 明るくカラフルな空 | 想像力・ワクワク 「こうだったらいいな」という冒険心や非日常への期待。 |
4. 組み合わせ:夜空を彩る「物語」
月や星と一緒に何を描いているかで、安心の拠り所がわかります。
| 一緒に描くもの | 込められたメッセージ(目安) |
| 山や家 | 居場所の象徴 「おうちが一番安心」という、基盤への信頼。 |
| 人物 | 見守り・繋がり その人に見守っていてほしい、大切に思っている気持ち。 |
| 動物・乗り物 | 冒険の舞台 空想の世界を旅するような、ワクワクする物語性。 |
🌸 年齢別|月と星の受け止め方
お子さんの成長に合わせて、絵の意味合いも少しずつ変化していきます。
| 年齢の目安 | 特徴と見守りポイント |
| 2〜3歳 | 「点や丸」を楽しむ 形に意味を込める前の段階。トントンと描く感触を楽しんでいます。 |
| 4〜5歳 | 「意味」が宿る 月や星に名前をつけたり、その時の気分がストレートに反映されます。 |
| 6〜7歳 | 「背景」としての夜空 ストーリーの一部として夜を描き、配置や色を自分で考え始めます。 |
| 小学生〜 | 「象徴」としての表現 「寂しいから夜にする」など、比喩的な表現を使いこなせるようになります。 |
夜空を描くときは、七夕やお月見、お気に入りの絵本などの影響も大きく受けます。「黒いから不安なのかな?」と心配しすぎず、まずは「キラキラしていて綺麗だね」「静かそうな夜だね」と、お子さんの描いた世界をそのまま受け止めてあげてくださいね。
「夜がこわい…」という気持ちが出ている子におすすめの絵本です🌟

くらいのなんか(そんなに)こわくない (めくって楽しい穴あき絵本)
暗さへの不安をやわらげてくれる一冊。 夜・星・月のモチーフをよく描く子にも相性がいいです。
第3章|気をつけたい「読み取りすぎ」の落とし穴
3-1. 絵を“心の検査”にしてしまう危うさ
親が不安な顔をして絵をのぞき込み、「これはどういう意味?」「なんで黒を使ったの?」と問い詰めてしまうと、子どもは敏感にその空気を感じ取ります。 せっかく自由に表現していた場が、いつの間にか「評価される場」「検査される場」に変わってしまうのです。
子どもが「お母さんに変なふうに思われないように描かなきゃ」とブレーキをかけ始めると、絵は本来の輝きを失ってしまいます。
3-2. 「当たっているかどうか」を考え始めたら要注意
「この解説、うちの子にぴったり当てはまる!」 そう思ったときほど、少しだけ注意が必要です。レッテルを貼ってしまうと、その子の「それ以外の側面」が見えにくくなってしまうからです。
絵は対話の「入口」であって、「答え」そのものではありません。 「寂しいんだね」と決めつけるよりも、「なんだか静かな絵だね」と、感じたままを共有するくらいが、親子ともに呼吸がしやすくなります。
3-3. 親の不安を、絵で解消しようとしなくていい
一番大切なのは、「親の不安は、親の場所で整理していい」ということです。 子どもの絵を見て不安になったのなら、それはお友達に話したり、こうしたブログを読んだりして、あなた自身の心をケアしてあげてください。 子どもの絵を使って、子どもの心を確認することで自分の不安を消そうとしなくて大丈夫。あなたはあなたで、今日一日頑張った自分を労ってあげてくださいね。
第4章|月や星の絵を見たときの“ちょうどいい関わり方”

4-1. 声かけは「解釈」より「事実」
絵を見たとき、私たちはつい「何か気の利いたことを言わなきゃ」と焦ってしまいます。でも、一番子どもが喜ぶのは、自分の描いたものを「そのまま見てくれた」と感じるときです。
- NG例(解釈・分析) 「寂しいから月を描いたの?」 「夜は怖いから、星をいっぱい描いた方がいいんじゃない?」
- OK例(事実の共有) 「あ、お月様が描いてあるね」 「この黄色、すごく明るいね」 「画用紙いっぱいに、たくさん色を塗ったんだね」
「~なの?」と質問して答えを求めるのではなく、「~だね」と事実を言葉にする。これだけで、子どもは「あ、お母さんに自分の世界が届いた」と安心します。
4-2. 聞かなくてもいい、という選択肢
実は、何も言わずにただ横で眺めるだけ、というのも立派な関わり方です。 子どもにも、話したくないときや、言葉にする前の「ただ描いてスッキリした」という瞬間があります。 無理にコミュニケーションの道具にする必要はありません。「描いた」という事実だけで、その子の心のデトックスは、ある程度完了していることも多いのです。
4-3. 絵を通して“今”を受け取る姿勢
- 続きを描かせない:「ここにも星を描いたら?」というアドバイスは、今は横に置いておきましょう。
- 前の絵と比べない:「前はもっと明るい絵だったのに」という比較は、今のその子を否定することにつながりかねません。
- 評価しない:「上手だね」よりも「描いたんだね」。評価のステージから降りて、同じ景色を眺める仲間になってみてください。
第5章|それでも不安が消えないときに考えてほしいこと
5-1. 絵よりも大事な「日常の小さな変化」
絵はあくまで「その瞬間の切り抜き」です。もし、お子さんの状態が本当に心配なときは、絵の解釈に時間を割くよりも、日常の小さなサインに目を向けてみてください。
- 朝、自分から起きられるか
- ご飯をおいしそうに食べているか
- ふとした瞬間に目が合うか、表情は硬くないか
- 「あのね」というとりとめのない会話があるか
これらが保たれているなら、絵がどんなに真っ暗でも、月がひとつしかなくても、その子は自分なりにバランスを取ろうと頑張っている最中です。
5-2. 親が一人で抱え込まないために
もし、夜の絵が何日も続き、表情も暗く、食事も喉を通らない……といった状況であれば、それは絵のサインというより、生活全体のSOSかもしれません。 そんなときは、一人で分析しようとせず、学校のスクールカウンセラーさんや、信頼できる専門家に「こんな絵を描いていて、ちょっと心配なんです」と、そのままの不安を預けてみてください。
相談することは「大ごと」にすることではありません。あなたの安心を守るための、大切なステップです。
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星や月を好んで描く子の“安心スイッチ”に。 寝る前のリラックスや、子ども部屋の雰囲気づくりにもぴったりです。
まとめ|この絵を「安心のきっかけ」にしていい

お子さんが描いた月や星の絵。 それは「問題のサイン」という怖いものではなく、「その子が、自分の心にある世界を、外に出すことができた」という、とてもクリエイティブで前向きな一場面です。
そして、その一枚を見て「この子の心はどうなっているんだろう」と悩み、検索したあなた。
その優しさは、必ずお子さんに伝わっています。 「正解が分からないまま、そばにいる」。 実は、これこそが子育てにおける、もっとも深く、もっとも難しい「最高の関わり」だったりします。
今夜は、その絵をそっと棚に戻して、温かい飲み物でも飲んでください。 明日の朝、お子さんが起きてきたとき、「あ、お月様描いてあったね」と一言だけ、さらりと伝えてみる。 そんな、何気ない「いつもの朝」に戻るための、この記事がきっかけになれば幸いです。
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子どもは「この絵は大切にしていいものだ」と感じます。
ただの白い紙ではなく、少し背筋が伸びるスケッチブックがあると、
絵は“遊び”から“自分の表現”へと静かに変わっていきます。
※「人に見せる前に描きたい子」「自分の世界を静かに守りたい子」に特に向いています。
▶他のモチーフとあわせて見ることで、より安心して読み取れます。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
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実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。







