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パパがいない絵、どう受け止めたらいい?子どもの家族の絵にあらわれる心と親の支え方
こんにちは!ITTI-BLOGへようこそ。
子育てをしていると、子どもの何気ない行動ひとつに「あれ?これってどういう意味?」と立ち止まってしまうこと、ありますよね。
特に、保育園や幼稚園から持ち帰ってきた「家族の絵」を見たとき。
「お母さんと僕(私)はいるけれど……あれ?パパがいない?」

そんなシーンに出会ったことはありませんか? 一生懸命に描いた跡があるからこそ、そこにパパが描かれていない事実に、お母さんとしては少しドギマギしてしまうものです。
「パパのこと、嫌いなのかな?」
「最近パパが忙しくて遊べていないから、忘れちゃった?」
「もしかして、家庭環境に不満があるサインなの?」
そんなふうに、パパには内緒でこっそり不安を感じてしまうこともあるかもしれません。でも、大丈夫ですよ。パパが描かれていないからといって、即座に「パパが嫌い」「愛情が足りない」というわけではありません。
今日は、元教諭の視点から、「パパがいない絵」に隠された子どものピュアな心理と、親としてどう寄り添えばいいのかを、ゆっくり紐解いていきましょう。この記事を読み終わる頃には、お子さんの絵がもっと愛おしく、心の距離がぐっと縮まるヒントが見つかっているはずです。
子どもの絵は“言葉の代わり”なんです|描かれない対象が伝えること
子どもにとって、絵を描くという行為は、単なるお遊び以上の意味を持っています。 まだ自分の気持ちを「僕は今、こう思っていてね」と論理的に説明できない子どもたちにとって、絵は「言葉にできない感情」を外に映し出すための大切なツールなんです。

巧拙(うまい・へた)は関係ありません
まず最初にお伝えしたいのは、絵のうまい・へたは、心の表現とは一切関係ないということです。線が震えていても、色がはみ出していても、それはその子の「今の精一杯」。 大切なのは、「何を描いたか」と同じくらい、「何を描かなかったか」にも、その子の今の関心が隠れている可能性がある、ということです。
描かない=拒絶、ではない
「描いていない」という事実を目の当たりにすると、大人はつい「欠如」や「マイナス」として捉えてしまいがちです。でも、子どもの世界ではもっとシンプル。 描かなかったのは、「今は描く必要がなかった(別のことに夢中だった)」だけというケースが多々あります。
心理学的な視点でも、絵は「投影」といって、自分の内面を映し出す鏡のようなものだと言われます。でもそれは、深刻な悩みがあるという証拠ではなく、「今、僕の心はこっちを向いているよ」という心のスポットライトの向きを教えてくれているだけなんです。
まず最初に知っておきたい“3つの前提”
お子さんの絵を見て「どうしよう!」と焦る前に、まずは深呼吸。 子どもの絵を読み解くための「3つの前提」を押さえておきましょう。これを知っておくだけで、見方がぐっと優しくなりますよ。
前提1:描く/描かないは、愛情の量とは別物
「パパを描かない=パパを愛していない」ではありません。 子どもの心はとても素直で、その瞬間、自分に一番「安心」をくれる人や、今「伝えたい相手」を優先的に描きます。パパが描かれていないのは、パパへの愛情がないからではなく、「今は別の誰か(多くはお母さんや自分自身)との関係に意識が集中している」という状態であることが多いのです。
前提2:絵は“その日のこころ”の切り取り
大人の私たちも、気分によって食べたいものが変わったり、考え事が変わったりしますよね。子どもも同じです。 「今日はたまたまパパを描かない気分だった」 「さっきお母さんと一緒にクッキーを作って楽しかったから、その余韻で描いた」 そんな日常のリアルタイムな出来事が、絵の構成をガラッと変えてしまうのです。昨日はパパを描いたかもしれないし、明日はパパだけを描くかもしれません。
前提3:成長とともに表現はコロコロ変わる
発達段階によって、家族の捉え方は変化します。 特に5歳くらいまでのお子さんは、物理的な距離よりも「情緒的な距離」を素直に表現します。自分が今、誰に支えられていると感じているか。その「安心の比重」が、そのまま絵の登場人物になるのです。
パパがいない絵に出がちな3つのパターンと心の意味
では、具体的に「パパがいない」とき、子どもの心の中ではどのようなことが起きている可能性があるのでしょうか。代表的な3つのパターンを見てみましょう。

パターン①:お母さんへの「安心感」が最大化している
子どもにとって、お母さんは「安全基地」そのもの。 特に、幼稚園や保育園で頑張って過ごしたあとや、お友だちと少しトラブルがあったときなどは、無意識にお母さんという存在に強くしがみつきたくなります。 そんなとき、絵の中には「お母さんと自分」だけが登場します。これはパパを排除しているのではなく、「今、お母さんに包まれて安心したい!」という甘えのサイン。パパがいないのは、それだけお母さんとの絆が今、お子さんの心を支えている証拠なんです。
パターン②:パパが「レアキャラ(特別な存在)」になっている
お仕事が忙しくて、平日はなかなか顔を合わせられないパパ。 子どもにとってパパが「たまに会える特別な人」や「休日に遊んでくれる人」になっている場合、日常を描く絵の中にはパパが登場しないことがあります。 子どもは「今、ここにある日常」を描こうとします。パパが仕事に行っている時間帯に絵を描けば、家の中にいるお母さんと自分を描くのは、子どもにとってごく自然なことなのです。
パターン③:自立への第一歩(自分とお母さんの分離)
少し成長してくると、子どもは「自分とお母さん」という密接な関係を再確認しようとします。 その確認作業の真っ最中には、あえて第三者(パパやきょうだい)を入れずに、二人だけの世界を描き込むことがあります。これは、自分という存在をしっかり確立しようとする成長の節目に見られる現象。パパには少し寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、「成長してるんだな」と見守ってあげてほしいポイントです。
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「なんで描かなかったの?」ではなく、「今のこころ」を一緒にたどる受け止め方
お子さんの絵を見て、一番避けたいのは「問い詰め」になってしまうことです。 「どうしてパパがいないの?」「パパのこと嫌いになっちゃった?」という言葉は、子どもにとって「正解を答えなきゃいけないクイズ」のように感じられ、プレッシャーになってしまいます。
おすすめは、お子さんが描いた世界を一緒に散歩するような関わり方です。
やさしい問いかけの3ステップ
- まずは「共感」から 「わあ、楽しそうな絵だね!ニコニコしてるね」と、まずは絵全体の雰囲気を褒めてあげましょう。
- 描かれているものを確認する 「これは〇〇ちゃんで、こっちはお母さんかな?」と、描かれている対象を優しく確認します。
- 「余白」を語らせる(さらりと) 「パパは今、お仕事頑張ってるのかな?」など、パパを話題に出してみます。このとき、お子さんが「パパはお外にいるの!」と言えばそれが正解ですし、無反応なら「今はお母さんとの世界を描きたかったんだね」と、深追いせずに終わらせてOKです。
実際の声かけ例
親:「今日描いた絵、見せてくれてありがとう!お母さんの顔、こんなにかわいく描いてくれたんだね」 子:「うん、お母さんと一緒に公園にいるの」
親:「そうなんだ!公園、楽しかったもんね。あれ、パパは今日はお仕事かな?」
子:「パパはね、お写真撮ってるの(だから絵には映っていない)」
親:「なるほど!パパはカメラマンさんなんだね。みんなで公園にいたんだね」
こんなふうに、「絵の外側の物語」を一緒に作ってあげるだけで、パパが描かれていない不安は解消されます。🔗パパとの関わりを増やすヒントはこちら
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年齢が変わると“家族の絵の意味”も変わる
子どもの発達段階によって、絵の意味合いも変化していきます。
- 幼児期(~5歳頃): 中心にあるのは「主観的な安心」です。今、自分が好きなもの、守ってくれるものを中心に描きます。パパがいないのは、単に「お母さんと遊びたい気分」の表れであることがほとんど。
- 児童期(6~10歳頃): 社会性が発達し、家族の役割分担を理解し始めます。パパを「お外で頑張る人」と認識し、あえて家の中の絵には描かないといった「論理的な判断」が入るようになります。
- 思春期(11歳頃~): 心理的な自立が始まります。家族全員を描くこと自体が少なくなったり、あえて距離を置いて描いたりすることも。これは健全な「親離れ」のプロセスです。
それぞれの年齢で、パパがいない理由は少しずつ変化します。「今はこの時期なんだな」と大きな目で見守ってあげたいですね。

Q&A|パパがいない絵のギモンにやさしく答えます
Q. 毎回パパを書き忘れるのですが、やっぱり仲が悪いんでしょうか?
A. 必ずしもそうではありません。
お子さんが絵を描く時間帯を思い出してみてください。もし「パパが不在の時間」に描く習慣があるなら、お子さんの頭の中には「今の風景」が浮かんでいるだけかもしれません。また、パパとの遊びが「激しい運動」などで、絵にするよりも「体で覚えている」場合も、静止画としての絵には登場しにくいことがあります。
Q. パパが寂しがっています。どうフォローすればいい?
A. 「パパはカメラマン役だね」とフォローを。
パパ本人には、「描かれていないのは、パパが家族を包み込む大きな存在だから、画面に入り切らなかったのかもね!」なんて明るく伝えてあげてください。そして、パパがお子さんと接するときは、絵を描くことよりも「一緒に笑うこと」を大切にしてもらうのが一番の解決策です。
「描かれていない」という事実に寄り添うことが、本当の安心につながる
「パパがいない絵」は、決して何かが欠けている証拠ではありません。 むしろ、「今、この子は自分とお母さんの関係をしっかり味わっているんだな」という、成長の一場面を切り取ったもの。

親の見方のポイントは、この3つです。
- 「いない」ことを責めない、焦らない。
- 「今、何を描きたかったのか」を尊重する。
- 絵はあくまで「その瞬間のスナップ写真」だと割り切る。
パパが描かれていないことを「問題」にするのではなく、「今日はお母さんの日だったんだね」と笑い合える。そんな余裕が、お子さんの心をより豊かに育てていきます。
いつか、画用紙いっぱいにパパが描かれる日が来るかもしれません。その時を楽しみに、今は目の前の小さなお子さんの「今のこころ」を、まるごと抱きしめてあげてくださいね。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
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